特集 『袴田巌さんの再審を求める会』事務局より 2


〜2004.8.27 高裁決定によせて、郷里の皆さんへのメッセージ〜
                         求める会事務局 石井

 遠州弁で言えば、まさに"判事のばかっつらが、やっきりこく"の思いでした。
 皆さんにもご記憶に新しいところと思いますが、さる8月27日に東京高裁において再審請求の即時抗告を棄却された浜北市の出身で40年近く無実を叫びつつ東京拘置所に収監されている死刑囚・袴田巌さんという方がいらっしゃいます。1966年に旧清水市で起きた「強盗・殺人・放火事件」の犯人とされ死刑判決を受けた方です。私も最近になって袴田巌さん支援の活動にすこし参加するようになりました。こうした分野にはまったくの素人であり無力な一市民としての活動ですが、この事件の杜撰な裁判過程や証拠などその全貌を知れば知るほど袴田さんは無実に違いないと思えてくるのです。と同時にもし自分がこのようないい加減で強引な捜査や取調べで犯人にされることがあったらと考えると本当に恐ろしい気がします。私たち一般市民にしてみれば警察・検察や裁判所は「正義を求め、よもや冤罪などを作り出して平然としている」などとは思いもよらないことです。世の中に問題や矛盾は幾万もありますが司法や検察に関わることは国の仕組みを川に例えれば、最上流に位置するのかと思います。その上流が濁っていては下流の様々な社会に健全さを求めるのはとても難しい事ではないでしょうか。
 "冤罪"問題というのは、すべての人々にとってとても重要な問題をはらんでいる訳で、単に袴田さん一家が気の毒だというような水準ではないのです。もちろん被害者や被害者ご遺族にとっても、誤った捜査や裁判によって"真犯人"をとり逃され、事件は解決されないまま無実の袴田巌さんを恨み、早く忘れたいと思うしかない所に置きざりにされたのでした。被害者に対する無責任な噂話や中傷で傷つけられたこともあったでしょう。捜査当局や裁判所が犯した過ちは二重三重に多くの関係者に深い苦しみを与え、社会的正義を実現するために公正中立であるべき司法に対する信頼を低下させてきたのです。
 袴田さんは「真実を明らかにしてほしい、もう一度きちんとした裁判をやり直して欲しい」と必死の叫びをし続けてきたのです。さまざまなグループが支援の輪に加わっていますが、私は東京で仲間たちと「袴田 巌さんの再審を求める会」というグループをつくって支援活動のさらなる発展をしようと話し合っているところです。そこで、私にも袴田さんにとっても出身地である遠州地方の心ある方々や旧知の皆さんに「袴田さんの無実の叫びと支援活動」を知っていただきたいと思っています。
 私自身、どんな政治団体にも宗教団体にも所属していないただの一市民として微力ながらできることを少しでもやれたらと考えているところです。先日も帰省した時に、同級生にあって少しお話してきました。彼からは暖かい励ましのことばをもらい、話にいって良かったなと思いました。すこしでも知っていただいて今回お送りしたような資料なども読んでいただける方を増やして行けたらと思います。一般的に世論に訴えるとか、世論を盛り上げるといってもなかなかどうすれば良いのか解らないわけです。どうぞ一度読んでいただいて感想などいただければ幸いです。