
9月16日・専大・今村法律研究室主催
| 『冤罪は、なぜ起こるのか』 公開シンポジウムに参加して |
求める会事務局 石井
遅刻してしまい是非お聞きしたいとかねてより思っていた庭山英雄先生の講演を2/3ぐらいしか聞けませんでしたが、お話を聞きながらあれこれ考えさせられた事を少し書かせてもらいます。また「袴田巌さんの再審を求める会」からは鈴木事務局長がアピールさせてもらいました。
現在進められている司法制度改革の審議会で法務省が出した頑な態度、法曹一元化については議論しない(させない)こと。審議に先立ち審議委員のひとりである元検察官の出した基調報告では、「わが国には誤判・冤罪は存在しないと主張しこれを先ず確認しなければ審議はできない」といった一般市民からすればトンデモナイ発想の持ち主が審議会をリードしたわけですから、庭山先生などの良識派の委員がどれほど苦労されていたかが窺えるというものです。それでもわが国の司法制度、とりわけ刑事司法制度の欠陥を少しづつでも改革してゆかなければならないという使命感をもって裁判員制度の実現や日本司法支援センターの発足へとこぎつけてきました。先進工業国では今や例をみない中央集権的官僚的裁判官制度(人事権を最高裁が全てにぎり恣意的な任官が行われている。この辺の事情は「最高裁物語」山本祐司著・講談社+α文庫に詳しく記されています。最高裁の内幕からみた戦後としても大変おもしろい本ですのでお勧めします。)のもとでは裁判官に憲法上保障された独立・不可侵の地位が保たれない制度的欠陥が存するわけです。
国民の司法参加を実現するという意味で「裁判員制度」は不十分な点が多々あるとはいえ半歩前進であるとみるのか。この日「島田事件」を例に講演された作家・伊佐千尋さんのように、現状の裁判員制度ではまったく司法改革には役立たないとして明確に制度そのものに反対されている識者の方々もいらっしゃいます。
よく言われる裁判員制度が正しく運用されるための基本的要件は下記の通りですが2009年までにどれくらい実現にむけて進んでゆくのか、良識ある法律家の皆さんの頑張りが実を結ぶためにも私たち国民の関心と世論の喚起がとても重要なのだと感じました。どれも国連から勧告をうけている諸外国ではほぼ当たり前に実現していることです。
1.検察側は、すべての調書、証拠品、捜査資料(捜査員の捜査メモ等も含め)を公判に提出する義務を負う。
2.密室による取調べは違法とする。取調べの録画・録音、弁護士の立会い、監視等取調べの可視化を義務づける。
3.代用監獄(警察署内の留置所での長期(48時間以上の)拘留)を廃止する。
いっぽうで「国際組織犯罪条約の要求する国内法制化のために早期成立が必要」と「共謀罪」新設に躍起になっている法務省のエリート役人たちには「先にやることがあるでしょう」と言いたい。アメリカですら実現している上記のような刑事司法の公正化をさっさと実現してからでなければ何処にいるのかわからない"凶悪な国際テロリスト"への対処はできないでしょう。
冤罪・誤判は司法制度の欠陥にその原因があることは明らかですが、多くの国民の無知・無関心によってそれが温存されてきたこともまた重い事実です。
蛇足ながら、シンポジウムのあと庭山先生から「今日は、鈴木さんの講演が一番よかったね」と鈴木事務局長のアピールにお褒めの言葉をいただきました。手前味噌ながら謝してご報告させていただきます。■
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| 庭山英雄弁護士、伊佐千尋氏、矢澤 f治弁護士ら | 鈴木武秀事務局長が、袴田事件 の再審開始をアピールした。 |
| 巌さんが無実であることを 一番知っているのは警察・裁判官 |
豊島 潤子
一旦犯人とされ(狙われ)、逮捕されたら最後、過酷な取調べ(いや、拷問)により自白させ、あとは警察の筋書き通りの調書を作成し、ひとつの冤罪事件が出来上がる。
9月16日(金)公開シンポジウム『冤罪は、なぜ起きるのか』に参加した。
多くの冤罪事件がそうであるように、袴田事件も驚くほどにばかばかしい証拠により死刑とされている。なぜか突然出現する証拠。しかし多くの証拠とされているものを見れば、「何?これって逆に巌さんが無実ってことの証拠になるんじゃないの?」と思わざるを得ない。
巌さんが無実であることを一番(?)承知しているのは、警察・裁判所ではないだろうか?
彼らがちょっとでも想像力を働かせ、もし、自分が巌さんの立場に置かれたら、40年間も茶番を演じることができるのだろうか?
拘禁症状が出ている巌さん、一日も早く秀子さんのもとに帰ることができるよう、支援を広げたいと思う。■